前回までの記事では、
- AIで企業分析はどこまでできるのか
- IR資料の読み方
- 決算説明資料の見方
について紹介してきました。
今回は、その続きです。
実際に私が企業分析で使っている質問方法(プロンプト)を紹介します。
ただし、この記事は単なるプロンプト集ではありません。
「どんな資料と一緒に使えばいいのか」
「どんな回答が返ってくれば分析できているのか」
ここまで含めて紹介します。
AIは質問の仕方だけではなく、渡す資料によって回答の精度が大きく変わります。
この記事では、その使い方も合わせて解説していきます。
AIは資料が増えるほど分析精度が上がる
最初に一番伝えたいことがあります。
初心者がよくやる質問があります。
この会社どう思いますか?
もちろんAIは答えてくれます。
しかし、その回答はインターネット上にある一般的な情報が中心になります。
一方で、
企業が公開している資料を一緒に渡すと、
回答は驚くほど具体的になります。
例えば、
- IR資料
- 決算説明資料
- 決算短信
- 有価証券報告書
- ニュース記事
これらを組み合わせることで、
「なぜ売上が伸びたのか」
「どんなリスクがあるのか」
「今後の成長戦略」
まで分析しやすくなります。
私は最近、
AIは資料を読む先生
として活用することが増えました。
プロンプト①
IR資料を初心者向けに説明してもらう
使用する資料
- IR資料
- 統合報告書
コピペ用プロンプト
このIR資料を初心者向けに説明してください。
専門用語はできるだけ使わず、
小学6年生でも理解できるように説明してください。
得られる回答
- この会社は何をしている会社なのか
- 主力事業
- 売上の柱
- 今後伸ばしたい事業
ポイント
最初から数字を見る必要はありません。
まずは
「この会社は何で利益を出している会社なのか」
ここを理解することが重要です。
私は企業分析を始めるとき、
まずこの質問から始めています。

プロンプト②
売上高が伸びた理由を教えてもらう
使用する資料
- 決算説明資料
コピペ用プロンプト
この決算説明資料から、
売上高が前年より増えた理由を
3つ教えてください。
得られる回答
例えば、
- 新商品の販売
- 販売数量の増加
- 海外売上の拡大
- 値上げ効果
などです。
ポイント
売上が増えた。
これだけでは意味がありません。
「なぜ増えたのか」
そこまで理解できると、
決算資料が一気に読みやすくなります。

プロンプト③
営業利益が変化した理由
使用する資料
- 決算説明資料
コピペ用プロンプト
営業利益が前年より増減した理由を
初心者向けに説明してください。
得られる回答
- 原価率
- 人件費
- 広告費
- 円安・円高
- コスト削減
など
ポイント
営業利益は、
会社の本業がどれだけ利益を出せているか
を見る数字です。
売上だけでは見えない部分も分かるようになります。

プロンプト④
成長要因だけ分析してもらう
使用する資料
- IR資料
- 決算説明資料
コピペ用プロンプト
この会社が今後成長すると考えられる理由を
3つ教えてください。
得られる回答
例えば、
- AI事業
- 海外展開
- 新サービス
- M&A
- サブスクリプション
など
ポイント
IR資料には、
会社が
「これから何を伸ばそうとしているのか」
が書かれています。
ここをAIに整理してもらうだけでも、
企業の未来が見えやすくなります。

プロンプト⑤
リスクだけ分析してもらう
使用する資料
- IR資料
- 有価証券報告書
コピペ用プロンプト
この会社のリスクだけを
初心者向けに教えてください。
得られる回答
- 競合
- 借入金
- 為替
- 海外依存
- 人材不足
- 原材料価格
など
ポイント
私は最近、
良いところより、
悪いところ
を先に聞くようになりました。
投資では、
リスクを理解することも重要です。

プロンプト⑥
SWOT分析
使用する資料
- IR資料
- 決算説明資料
- ニュース記事
コピペ用プロンプト
この企業を
Strength
Weakness
Opportunity
Threat
で整理してください。
得られる回答
- 強み
- 弱み
- 成長機会
- リスク
ポイント
SWOT分析は便利ですが、
会社名だけでは精度は高くありません。
IR資料やニュースも一緒に渡すことで、
より実態に近い分析になります。

プロンプト⑦
競合比較
使用する資料
- IR資料(2社)
- 決算説明資料(2社)
コピペ用プロンプト
この2社を比較してください。
・利益率
・成長率
・シェア
・強み
・弱み
で比較してください。
得られる回答
- シェア
- 利益率
- 成長率
- 今後の期待
など
ポイント
比較するときは、
比較対象の会社の資料も一緒に渡すこと
が重要です。
一社だけでは比較はできません。


プロンプト⑧
決算説明資料を要約する
使用する資料
- 決算説明資料
コピペ用プロンプト
この決算説明資料を
10項目以内で要約してください。
得られる回答
- 売上
- 利益
- 成長事業
- リスク
- 今後の見通し
など
ポイント
資料が100ページ近くある会社もあります。
最初は要約してもらい、
気になる部分だけ詳しく読む方法がおすすめです。

プロンプト⑨
投資家が注目するポイントだけ教えてもらう
使用する資料
- IR資料
- 決算説明資料
コピペ用プロンプト
この資料の中で、
投資家が最も注目するポイントを
5つ教えてください。
得られる回答
- 成長戦略
- 利益率
- 今後の見通し
- リスク
- 新規事業
ポイント
初心者は、
どこを見ればいいか分かりません。
AIに先に整理してもらうことで、
読むポイントが明確になります。

AIは企業分析だけではなく先生にもなる
私が一番便利だと思っているのは、
AIを
勉強相手
として使えることです。
最初にIR資料を読んだときは、
専門用語ばかりで、
正直ほとんど理解できませんでした。
でも、
「小学6年生でも分かるように説明してください。」
「営業利益って何?」
「ROEって何?」
そんな質問を繰り返しているうちに、
少しずつ資料が読めるようになってきました。
つまり、
AIは企業分析をするだけではありません。
企業分析を学ぶ先生
にもなってくれるのです。
まとめ
今回紹介したプロンプトは、
私が実際に企業分析をするときによく使うものです。
ただし、一番大切なのは、
AIに丸投げしないこと。
そして、
できるだけ多くの資料を一緒に渡すこと。
この2つです。
会社名だけを聞くより、
IR資料や決算説明資料を一緒に渡した方が、
AIは何倍も具体的な分析をしてくれます。
投資判断をAIへ任せるのではなく、
企業を理解するための先生として活用する。
これが、私が現在一番おすすめしているAIの使い方です。


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